特別お題「今だから話せること」
小学3年生。3学期の終わり。
その日は算数や国語などの授業もそこそこに、体育館でお楽しみ会が開催された。3年生がみんな集合。なんかフルーツバスケットとか伝言ゲームとかやったようなやらないような。あまり記憶がない。
その会の最後にはじゃんけん大会があった。みんな起立。先生1人対3年生全員。先生とじゃんけんをして、負けた人は座っていくルール。
じゃんけんぽん!
先生チョキ、僕パー。
2回戦ぐらいで早々に負ける僕。
ちょっと出来心。
今の少子化時代と違い、当時は子供がいっぱい。3年生だけで200人以上。周りを見ると結構立っている(勝っている人が多い)。もう少し、じゃんけん楽しんじゃお。先生との勝負には負けたけど、座ることなくじゃんけんを続行。
じゃんけんぽん!
先生チョキ、僕グー。僕の勝ち。
先生パー、僕チョキ。僕の勝ち。
なんか、なかなか先生に負けない。。。周りの子たちがどんどん座っていく。立っている人が少数派に。人数が少ないと自然と注目も集まってくる。純粋な目で応援してくる周りの友達。
負けたい!気持ちでいっぱいの僕。でも、なかなか負けない。いつからじゃんけんそんなに強くなった?給食のプリン争奪戦で勝ったことないじゃない。
で、優勝。。。
折り紙か何かで作ったメダルをもらえたような気がするけど、もう気まず過ぎて覚えてない。
周りの友達の歓喜、そして心から祝福。
そして数々の謎の証言!
「◯◯君(←僕)のこと、俺ずっと見てたけど本当に勝ち続けてたよ!」
「俺も見てた、すごいって思った。」
この発言は、「ズル」に対する嫌味とか咎(とが)める的な発言ではない。心から「すごい」っていう発言。
(みんな、一体何を見ていたの?本当に見てたのなら「お前ズルしただろ!」って言って。。。)
ほんと、すごーい罪悪感。
で、結局、僕の嘘はバレることなく今に至る。いや、当時、ズルに気がついていた人もいるのかも。周りの「すごい!すごい!」の雰囲気に押され不正を告発する事をためらった友人もいたかもしれない。
今でもふと思い出して、ちくっと痛くなる。
小さな嘘から始まった約40年近く続く罪悪感。
嘘は良くないね、小さくても。
娘に「お父さん、結構モテたんだよ。」とか言うのやめよう。
おしまい。